ご相談者は、都内にある古家を兄弟での共有名義で所有されているお兄さまでした。建物自体は老朽化していたものの、立地が良く、売却には十分な価値がある物件でした。ご相談者自身には今後その家を使う予定もなく、遺品整理が終わり次第、売却したいとのご希望でした。
当センターでは、売却までの空き家管理を担当し、提携する不動産会社からは現実的な価格での売却提案を行いました。しかし、もう一人の共有者である弟さまが「この家は査定の2倍で売れるはず」と強く主張。相場から大きく外れた金額でしか売却に応じないという姿勢を崩さず、話し合いは難航しました。
まず、共有名義である以上、双方の合意がないと売却は進まない点を丁寧にご説明しました。その上で、感情的になっていた弟さまに対し、ご相談者さまと一緒に何度も根気強く話し合いの場を設けました。相場情報や過去の類似物件の事例、売れ残ってしまったケースなどもご紹介し、売り出し価格の現実的なラインを共に考えるように努めました。
結果的に、弟さまにも少しずつご理解をいただき、「せめて相場より少し高い程度なら」とご納得いただける価格設定に落ち着きました。
一時は兄弟関係が絶縁寸前になるほどの衝突がありましたが、最終的には両者が納得した形で売却を進めることができました。売却活動開始後はすぐに反響があり、希望に近い価格で買主が見つかりました。
ご相談者さまは「第三者に間に入ってもらえたことで、感情的にならずに済んだ」「弟とも話し合いができてよかった」と安堵の表情を見せてくださいました。
※建物の修繕・解体、不動産の賃貸・売買及びその媒介などの活用は、必要とされる許認可を持つ事業者の協力を得て行っており、当センターが直接行っているものではありません。予めご了承ください。