2015年10月27日 公開
神奈川県横須賀市で、10月26日に自治体による危険空き家の強制的な解体が行われました。
この解体は今年の2月に制定された『空き家等対策の推進に関する特別措置法』に基づく行政代執行で、この法律に基づいた行政代執行が行われたのは全国で初めてです。
今回のケースでは、特措法により利用可能となった固定資産税の納税者情報を利用して、所有者不明と判明したので自治体が解体する事になったようです。
解体にかかる費用は150万程度で、自治体が負担する事になっています。
最新の統計調査では横須賀市内の空き家は28,830戸で、空き家率は全国平均の13.5%を上回る約14.7%でした。
空き家の内訳を確認してみると、売却・賃貸募集中でもなく、別荘でもないいわゆる空き家の総数は11,060戸で空き家数全体の約38%でした。
空き家率で見ると全国平均よりは上ですが、それでもまだ横須賀市よりも空き家率が高い自治体はいくらでもあります。
そのような自治体に更に多くの危険空き家が存在しているとすると、今回のように所有者が不明なため自治体による危険空き家の解体を進めていくとすると大変な財政負担となります。
「行政代執行」は自治体が住民の権利へ強制的に働きかけることができる自治体の「伝家の宝刀」です。
自治体の財政事情や守られるべき住民の利益など、今後様々な物議を醸しだす事になるかもしれません。