2015年5月27日 公開
国道交通省では、空き家対策特別措置法に関連する指針の一つとして、
1年以上住んでいない家を「空き家」と定義しました。
しかし、空き家管理を行っている身としては、この定義は感覚と少し違います。
辞書を引くと「空き家」とは、人が住んでいない家と書かれています。
こちらの方が当センターとしては実感に近いと感じています。
当センターは、もちろんですが、空き家が悪いとは思っていません。
空き家は前の利用者から次の利用者が決まるまでの仮の期間です。空き家が全て無くなると不便ですし、そもそも不可能なことです。
空き家が問題視されるのは、空き家の庭が荒れてしまったり、老朽化して建材が剥がれ落ちそうになってしまっていたり、ゴミなどが不法投棄されて景観の悪化を招いたりしているからです。
つまり、空き家である期間というのは一切関係ないのです。
これからの季節、空き家になって1年経っていなくても庭の草木は伸びてきます。
ご近所の方からしたら、草木が伸びたまま放置されている空き家は、所有者がきちんと管理してくれない「迷惑な空き家」です。
ただ、国土交通省の指針が間違っているとは思いません。
法律を運用する上で、空き家の定義づけというのは重要な部分であり、ある程度みんなが納得する形にする必要があったためです。
しかし、当センターにお問合せいただく空き家を所有社の中には、
「1年経っていないからうちの空き家は大丈夫ですね」とおっしゃる方が少なくありません。
空き家になってから1年経たない空き家は管理しなくて良い空き家ではありません。
特にこれからの季節、空き家の庭では一気に草木が伸びていきます。
一夏、全く手入れがされない庭というのは想像以上に荒れてしまうものです。
空き家の適正管理は、空き家になっている期間に関わらず、所有者の責任です。
空き家になってからまだ日が浅く、今後の予定がまだ決まっていないという方は、自身で管理する「セルフ管理」を行うか、空き家管理サービスを利用するなどして、適切な管理を心掛けていきましょう。