2019年10月15日 公開
総務省が発表した平成30年の住宅・土地統計調査では、北海道の空き家数、空き家率ともに減少しました。北海道全体での空き家数は8,400戸減少して379,800戸、空き家率は0.6%改善して13.5%となりました。空き家数の減少は1958年に統計調査を開始して以来、初めての出来事でした。
北海道では空き家が増加すると見られていたため、この結果は驚きとともに迎えられており、その要因分析は今後進められていくことでしょう。市町村ごとの空き家数を見ていくと、札幌市をはじめ21市町で空き家数が減少しました。また、人口集積が進む道央地域だけではなく、幅広い地域で空き家の減少が見られたことも特徴的でした。
空き家数が減少した地域がある一方で、北海道内の多くの自治体では空き家数は増加しました。帯広市、函館市、室蘭市、恵庭市の4市では空き家数の増加が5年間で1,000戸を超えました。これは総住宅数が多く、かつ人口減少などによる住宅への需要減少が大きく影響したものと思われます。特に帯広市は空き家が2,910戸増加しており、空き家率も大きく上昇してしまいました。
平成30年度の住宅・土地統計調査では北海道の空き家数は史上初めて減少し、空き家率も大きく減少しました。ただ、人口減少が進む多くの地域では、さらに空き家数の増加や空き家率の上昇が見込まれています。空き家の適正管理を推進していくのはもちろん、空き家を住宅として再生するだけでなく、住宅以外の用途(例えば民泊施設など)も含め、さまざまな活用が求められています。