2019年9月30日 公開
当センターには住宅だけでなく、店舗や倉庫、工場やホテル・旅館などの空き家に関するご相談もいただきます。使わなくなってから放置されてしまい管理が行き届いていない店舗や、立地条件が悪いなどの理由から活用されないままになってしまっている倉庫などに関するものです。そこで疑問となるのが、店舗など住宅ではない建物も使用されていなければ空き家になるのか、という点です。
空き家の定義はさまざまですが、空家等対策特別措置法では、「空家等」を以下のように定義しています。
条文では、使用方法は「居住その他の使用がなされていないことが常態である」となっているため、これだけでは住宅以外の店舗も対象となるかは分かりません。そのため、店舗が空家等に含まれるかは法律の解釈次第ということになります。
ただ、国土交通省及び総務省の考え方は、「空家等」には、「使用がなされていないことが常態である」建築物又はこれに附属する工作物及びその敷地であれば幅広く該当することから、店舗や工場など住宅以外の建築物等も対象となる、とされています。つまり、住宅だけではなく、店舗や工場などを含む幅広い建物で使用されていない状態のものは、全て「空家等」に含まれるということが、国の考え方であるということです。
空き店舗も空き家に含まれるというのが国の考え方
多くの自治体は国土交通省及び総務省の考え方を基準にしています。例えば、千葉県香取市では鉄筋コンクリート造4階建の空きビルを空家等対策特別措置法に則って部分的に解体されるなど、店舗などに対しても住宅と同様に適正管理の促進に取組んでいます。
空き店舗や倉庫、工場や旅館などの住宅ではない建物は、適性管理や利活用のコストが大きくなるという特徴があります。建物が大きかったり、特殊な設備を備えていたりするためです。そのため、管理や活用は住宅と比較してもより困難になることが多くあります。放置してしまうとさらにコストがかかってしまうため、早めの対応が管理及び活用の成功の鍵になります。