昨今、急増する空き家がテレビや新聞をはじめとしたマスメディアで大きな注目を集めていますが、数字にばかりに気を取られていると空き家問題の真の問題に気がつくことができません。
空き家問題にはもう一つの側面が存在します。
本当の意味での空き家問題を理解し解決へ導くためには、空き家の数だけ所有者がいて、その所有者の事情も一人一人違うという視点が必要です。
例えば、空き家を放置しているからといって、決して所有者が無責任であるという訳ではなく、場合によっては「相続」や「共有」により権利問題等が複雑に絡み合い、所有者ですらどうにもできなくなってしまうケースも多く存在するのです。
こうした所有者の状況を理解するとともに、複雑に絡み合った空き家に関する権利関係を解きほぐし、活用できる空き家は活用し、解体すべきは解体していく事への社会的必要性が年々高まっています。
国の取り組みとしては2015年に空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)が施行され、一見解決に向かっているように見える空き家問題ですが、実際に所有者が問題に直面した際に相談できる窓口はまだまだ少なく、十分なサポートができるスキルを持つ人材も圧倒的に不足しているというのが現状です。
このような社会的背景のもと、問題解決に必要となる知識を持ち、弁護士や税理士、司法書士など各分野の専門家と連携できるスキルを持った人材の必要性が高まっています。
そこでNPO法人 空家・空地管理センターは『空家空地管理士』の資格制度を設立いたしました。
管理実務や専門家による法律・税制度等に関する研修等を一定期間以上受け、試験に合格した者を『空家空地管理士』として登録します。
実際に所有者の相談にのり、管理を行う当センターのエリア担当の事業者には、事務所に必ず一名以上設置するように義務付けています。
また、『空家空地管理士』の登録後も、全国からNPO法人 空家・空地管理センターへ寄せられる相談や実際の解決事例などを共有する事で、より相談者の立場に立ったサポートができるよう日々研鑽を重ねています。
『空家空地管理士』は表面的な空き家問題だけでなく、所有者一人一人の空き家問題に対して真摯に向き合い、所有者と共に解決していく空き家問題の専門家です。
『空家空地管理士』の使命は空き家問題の解決のために最適なアドバイスや支援を行うことで、空き家に関係する人たちの利益を最大化することです。
また、当センターの「放置空き家をゼロにする」という理念のもとに、所有者や近隣住民をサポートし、良き相談相手となり、また社会的良識をもって空き家管理サービスを提供する責務を全うします。